著名な機能改善がえられた難治性気胸合併の両側巨大気腫性肺嚢胞症の1手術治験例
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概要
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症例は,左自然気胸により来院した54歳の男性で,両側気腫性肺嚢胞症で数年来高度の呼吸不全状態(H-J分類IV度)にあった.患者は8ヵ月前にも右自然気胸で入院し,高度の低肺機能のために6ヵ月保存的治療を受けていた.今回の左気胸も前回の右気胸と同様にまず保存的療法が試みられたが,3ヵ月経っても抜管できないため手術療法が検討された.術前の肺活量は1.40 l, 1秒量は0.39 lであった.本例の病態の本質は増大する右巨大ブラにあること,両側一期手術は危険性が高いこと,予想される陽圧換気による術中のブラの破裂には,左側脱気チューブが安全弁になること等の理由により,手術は重症側で非気胸側の右側ブラ切除術を選択した.術後には非手術側の左気胸も治癒し,肺機能(肺活量2.30 l, 1秒量1.13 l)及び臨床症状(H-J分類II度)とも著明に改善した.なお術中非手術側の左肺はドレナージ中にも拘らずに緊張性気胸を生じたが,この点にも検討を加えた.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 1991-05-15
著者
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坪田 紀明
兵庫県立成人病センター 呼吸器外科
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坪田 紀明
兵庫県立成人病センター
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坪田 紀明
兵庫県立成人病センター呼吸器外科
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小山 隆司
公立宍粟郡民病院
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山崎 良定
公立宍粟総合病院外科
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辻 福正
城陽江尻病院外科
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山崎 良定
公立宍粟郡民病院外科
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辻 福正
公立宍粟郡民病院
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山中 陽一
山中医院
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