重症肺気腫患者に対する胸骨縦切開による一期的両側肺部分切除術(Volume Reduction) : 運動能および呼吸機能の著明な改善を示した1例
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概要
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最近,外科治療により肺気腫患者の呼吸機能および運動能が改善することが報告され,われわれの施設でも胸骨縦切開にて一期的両側肺に対する肺部分切除術(Volume Reduction)を開始したが,その1例目の症例が術後呼吸機能の著明な改善を示したので報告する.症例は62歳男性で,術前はHugh-Jones分類のV度で,酸素吸入を必要とした.胸骨縦切開下に気腫性変化の高度な両側上葉の部分切除を施行した.術前と術後6ヵ月の呼吸機能検査結果を比較すると肺活量は術前2.33から2.75L,1秒量は0.54から1.29Lへ増加した.また,気道抵抗は5.99から2.47cmH_2O/L/sec,ピークフローも1.76から4.08L/secと術後閉塞性障害の著明な改善がみられた.さらに,術後は酸素吸入は不要となり,H-J分類のIII度まで改善,6分間歩行試験においては酸素吸入無しで術前の約2.5倍の415mの歩行が可能になった.
- 1996-07-15
著者
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吉田 和夫
信州大学医学部呼吸器外科
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天野 純
信州大学第2外科
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青木 孝學
信州大学第2外科
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羽生田 正行
信州大学第2外科
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金子 和彦
信州大学第2外科
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矢満田 健
信州大学第2外科
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矢満田 健
国立病院まつもと医療センター中信松本病院呼吸器外科
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宮澤 正久
市立甲府病院 呼吸器外科
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宮澤 正久
信州大学第2外科
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宮澤 正久
信州大学 医学部外科学第2教室
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町田 恵美
信州大学第2外科
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花岡 孝臣
長野厚生連安曇総合病院外科
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花岡 孝臣
信州大学第二外科, 理化学研究所分子腫瘍
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金子 和彦
信州大学医学部第2外科
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吉田 和夫
信州大学第2外科
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青木 孝學
篠ノ井総合病院 呼吸器外科
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