38.阪神・淡路大震災の間接的被災体験 : 新聞記事を事例として

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本研究では、マスコミを通じた災害情報の享受が、防災意識や行動といった災害文化全般にどう影響しているのかを考察する。阪神・淡路大震災においては、今までの災害と比べて大量・長期に情報が流された。伝えられた災害情報によって、行動や意識に何らかの変化が加わっていれば、それは「被災体験をした」結果といえる。そのような「間接的な被災体験」が影響する分野は多岐にわたり、新聞記事からどんな教訓を得て、災害文化に活かされていくのかを考える必要がある。その一方で、マスコミ情報が「被災体験」となっても、その被災体験は間接的であるため、様々な制約がつきまとう。一つには、マスコミの風潮に流されざるを得ない「体験の偏り」があることである。二つめには、現実体験による修正が効かず、体験が観念的レベルにとどまること。そして三つめに、もともと「中だるみ」「風化」する傾向を持つ災害文化が、間接的な被災体験によるものであれば、その速度がさらに速くなるということである。こういったネガティブな特徴はあるが、防災意識、災害文化の向上に役割を果たすと考えると、間接的被災体験の存在を無視するわけにはいかない。阪神・淡路大震災のような大災害において、人々の災害イメージがどれだけ変化したのかを調べるために、新聞記事の分析を行うものである。今回の発表では、新聞記事の分析は単純集計をもとにしたものにとどめておき、報告の主な趣旨は、間接的被災体験に注目することの重要性を提案することにある。

38.阪神・淡路大震災の間接的被災体験 : 新聞記事を事例として

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