落下胃石イレウスの2例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例1は96歳, 女性.悪心嘔吐を主訴に近医受診.イレウスの診断で当院紹介となり,腹部CTにて胃内と十二指腸に胃石が認められた.胃石に対して,内視鏡的破砕術が4回施行されたが,第42病日に十二指腸内の残存した胃石が空腸に落下,嵌頓し,穿孔を認め,小腸部分切除術が行われた.症例2は64歳, 女性.集団健診の上部消化管造影検査で胃石を指摘され,手術にて摘出予定となっていたが,嘔吐を主訴に近医受診.イレウスの診断で当院紹介となり,腹部CTにて腸管の拡張と,胃内と小腸に胃石が認められた.イレウスチューブを留置したが,イレウスの改善が認められないため,第2病日には小開腹し,胃と小腸を切開し,胃石を摘出した.2症例とも胃石結石成分分析にてタンニン成分が98%であったため,タンニンを含む食事を避けるよう栄養指導行った.胃石に対する内視鏡的破砕困難例では,内視鏡的治療に固執することなく,速やかに外科的治療を考慮する必要があると考えられる.
- 2008-03-25
著者
関連論文
- 落下胃石イレウスの2例
- P-2-81 Sister Mary Joseph's noduleの2例(腹部腫瘍1,一般演題(ポスター),第63回日本消化器外科学会総会)
- P-1-32 仮性脾動脈瘤を合併した膵仮性嚢胞の一切除例(胆・膵 症例1,一般演題(ポスター),第63回日本消化器外科学会総会)
- O-3-186 高齢者大腸癌手術の現状と術後入院日数に影響する因子の検討(大腸 高齢者,一般演題(口演),第63回日本消化器外科学会総会)
- DP-174-8 高齢者,重症者消化器外科手術における術後経腸栄養管理の有用性と限界 : POSSUM scoringと小野寺Prognostic Nutrition index (PNI)のリスク評価を用いて(第108回日本外科学会定期学術集会)
- 一般演題21 長崎大学病院における在外被爆者支援渡日治療の現況
- 転移性臍腫瘍(Sister Mary Joseph's nodule)で発見されたS状結腸癌の一例