モロヘイヤ中のトリプシンインヒビターについて
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概要
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プロテアーゼインヒビターは,タンパク質分解作用に関わるのみでなく,さまざまな生理作用を持ち,プロテアーゼの制御因子として重要な役割を果たしている。モロヘイヤから70%硫安分画法,ラウリル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)法を用いて,トリプシンインヒビター(TI)活性を持ったタンパク質を分離精製した。モロヘイヤTI活性の測定にあたっては,モロヘイヤ70%硫安画分,トリプシン,基質としてカゼインを混和し,37℃,20分インキュベート後,トリクロロ酢酸を加え,遠心分離し,その上清の280nmの吸光度を分光光度計で測定した。その結果,TI存在下の反応液の吸光度の増加はみられなかった。プロテアーゼインヒビターのタンパク質をSDS-PAGE法を用いて解析した結果,100, 59, 55, 50kDaの分子量のタンパク質が存在することが分かった。非還元条件下でのSDS-PAGE解析の結果では,モロヘイヤのTIタンパク質の分子量は, 100kDa であることが分かった。TI活性の熱に対する安定性について,SDS-PAGE法を用いて解析したところ, 100℃で10分間処理したTIタンパク質は,トリプシンを阻害することはできなかった。
著者
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大久保 美智子
鹿児島純心女子大学看護栄養学部健康栄養学科
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海老原 綾子
鹿児島純心女子大学看護栄養学部健康栄養学科
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中 佳子
鹿児島純心女子大学看護栄養学部健康栄養学科
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西田 友佳
鹿児島純心女子大学看護栄養学部健康栄養学科
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