死亡退院後の遺体トラブルと家族の反応 -葬祭業者への質問紙調査より-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,死亡退院後の遺体トラブルと遺体トラブルに遭遇した家族の反応および死後のケアに対する葬祭業者の意見・要望を明らかにし,看護師が行う死後のケアへの示唆を得ることである.対象は葬祭業社に勤務し,葬儀に携わる社員80名に質問紙を配布し,29名から有効回答を得た(回収率36.3%).対象者が体験した遺体トラブルで最も多かったのは「出血」で,順に「開口」,「悪臭」,「体液流出」などがあった.葬祭業者の意見・要望の背景には,病院と葬祭業者間のコミュニケーション不足が考えられた.以上より,看護師は死体現象の理解を深め,葬儀が終了するまでの変化を考慮した死後のケアを実施する必要がある.また,コミュニケーション不足を是正するために,病院側からは死亡退院時に,感染症の既往や遺体トラブルのリスクに関する情報を提供し,トラブル発生時には葬祭業者から病院へ情報を提供するといった連携のシステムの構築の必要性が示唆された.
著者
関連論文
- 成人看護学実習におけるヒヤリ・ハット体験に関する実態調査
- 成人看護学における技術教育についての検討 : 成人看護学実習における看護基本技術の経験状況から
- 日韓看護学生の死生観の比較
- 看護学生の死生観の学年間比較
- 死亡退院後の遺体トラブルと家族の反応 -葬祭業者への質問紙調査より-
- バセドウ病患者の看護 (ナーシングプロセス バセドウ病患者の看護)
- バセドウ病患者の情報収集ガイド (ナーシングプロセス バセドウ病患者の看護)