「教師論特講」の授業 : 社会人体験と教師の能力
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概要
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本稿は、近代の学校の概念に基づく「教師論特講」の平成18年度の授業内容を中心に記述したものである。学校は近代になって作られた国家システムのひとつである。子どもを学校(義務教育)に入れて、一人前の国民・市民として生きるための基礎的な能力を一律・強制的に身につけさせるのがその役割である。第一の目的は、国家・社会の維持・発展・変革である。子どもにとっては厳しい場で、反抗や不適応は避けられないだろう。このような学校の役割を実現するのが教師である。教師には国家・社会から与えられた使命があり誠実にそれを遂行することが第一に求められることである(公人としての教師)。そのためには、教師として生きるための厳しい修業が必要だろう。以上のような内容を中心に授業を展開した。授業では、中学教師だった自己の体験を出しながら説明すること、院生の考えに直接ぶつけ深く考えるきっかけをつくること、に力を入れた。院生の反応をたくさんのせたので、そこから授業の様子を想像してほしい。
- 日本教育大学院大学の論文
著者
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- 苅谷剛彦・清水睦美・藤田武志・堀健志・松田洋介・山田哲也[著], 『杉並区「和田中」の学校改革-検証地方分権時代の教育改革』, A5判, 103頁, 本体580円, 岩波書店, 2008年9月刊