州裁判所におけるクラスアクション
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概要
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1985年に連邦最高裁判所でShutts判決が出され、州裁判所での全米規模のクラスアクション提起が認められた。州裁判所におけるクラスアクションは州制定法によって手続が進行する。州制定法上のクラスアクション規定を分類すると、五つのパターンに分けられる。第一にクラスアクションそのものを認めないもの、第二に模範クラスアクション法を採用するもの、第三にフィールド法典を根拠とするもの、第四に独自ともいえるクラスアクション規定をもつもの、そして第五に連邦民事訴訟規則Rule23を採用するものである。模範クラスアクション法を採用する州法は、連邦民事訴訟法より詳細化されたクラスアクション成立要件をもつ。さらに、クラスアクションの成立要件が少ないフィールド法典に準拠する州と、独自の規定をもつノースカロライナ州では、判例が要件の詳細化と付加を行ってきた。その結果、連邦民事訴訟法と比べ簡略化した成立要件を備える州制定法は、判例によって連邦民事訴訟法上の要件とほぼ同一と解釈されてきたのである。多くの州法では、その独自性を残しつつ連邦法化が発生している状況にある。
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