地域の法律問題と相談者ネットワーク : 岩手県釜石市の調査結果から(<特集>社会の希望・地域の希望-希望学の現在)
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概要
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現代日本の地域社会が抱える問題の一つに,大都市と異なり地方では弁護士その他の法律専門家が過少であるため,地域の人びとが必要な法的助言や援助を受けることが困難であるという「司法過疎」の問題がある.そしてその対策として,地方への法律専門家の政策的・計画的な配置や,対策の基本となる法制度の整備が進んでいる.地方に法律専門家が少ない理由として,しばしば,地方には問題やトラブルが少ないことが指摘される.しかし,地方では本当に問題やトラブルは少ないのであろうか.他方,司法過疎とよばれる地域にも,住民が日常遭遇するさまざまな問題やトラブルに助言や援助を提供する機関がまったく存在しないわけではない.それらの機関の活動はどのようなものであり,また,そこにあえて法律専門家を配置することの意義はどこにあるのであろうか.本稿は,岩手県釜石市で行った住民アンケート調査および地域の相談機関・法律専門家に対するインタヴュー調査の結果に基づき,地域の法律問題および相談体制の実情を明らかにし,あわせて今後の施策において留意すべきいくつかの点を指摘することを目的とする.
- 東京大学の論文
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