希望と個人(I)(<特集>社会の希望・地域の希望-希望学の現在)
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概要
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東京大学社会科学研究所では,希望と社会との相互関係を社会科学的に検証する「希望学」研究を進めてきた.そこでは社会科学の観点から,全国アンケート調査及び,岩手県釜石市を対象とした地域調査などにより,希望の社会的位相について考察している.本稿は希望学プロジェクトが2006年1月に20歳から59歳の全国約2,000名に実施したアンケート調査を用いて,個人および世帯の属性が希望の保有に与える影響を実証分析した.調査によると,全体の約8割は将来に何らかの希望があり,約6割は実現見通しの伴う希望を有していた.希望の内容は仕事と家族に関するものが最も多かった.希望の保有は現在の幸福感と密接にかかわるが,その度合いは実現見通しの有無によって大きく異なる.希望の意義を生活の活力源等と肯定的にとらえる場合が約8割と高い一方,希望について否定的な考えを有する場合も少数ながらあった.
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