地方の希望 : 希望学・釜石調査の概要(<特集>社会の希望・地域の希望-希望学の現在)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は,東京大学社会科学研究所の共同研究プロジェクトである「希望の社会科学的研究」(通称「希望学」,研究代表者・玄田有史)の一環として,2006年度に実施された希望学・釜石調査の目的と方法,調査概要を紹介し,現時点での調査結果と今後の課題を明示することにある.そのことを通して,同調査の記録を残すとともに,最終的な成果取りまとめの素材としたい.今回の釜石調査では,「希望」をキーワードとして過去から現在にいたる釜石地域の歩みを検討した結果,(1)ローカル・アイデンティティの再編,(2)希望の共有,(3)ネットワーク形成といった点が,「地方の希望」を考える際に重要な論点となり得ることがわかってきた.社会・経済状況の大きな変化に応じて地域再生をはかるにはローカル・アイデンティティの再編が不可欠であり,そのためには地域社会における希望(将来構想)の共有と希望の基盤としてのネットワーク形成が必要になるのではないか.今後はこうした仮説を,社会科学の様々な領域で検証していくことが課題となる.
- 東京大学の論文
著者
関連論文
- パネル報告 釜石製鉄所のオーラル・ヒストリー:希望学・釜石調査からの発信 (経営史学会第45回全国大会討議報告)
- 電鉄経営と不動産業 : 箕面有馬電気軌道を中心として(日本不動産業の展開過程)
- 書評 [バン]澤歩著『ドイツ工業化における鉄道業』
- 地方の希望 : 希望学・釜石調査の概要(社会の希望・地域の希望-希望学の現在)
- 書評 林采成著『戦時経済と鉄道運営』
- 藤井信幸著, 『通信と地域社会』, 日本経済評論社, 2005年, 200頁, 2,625円
- 帝国鉄道協会の成立 : 日本鉄道業の発展と業界団体
- 書評 柿崎一郎著『タイ経済と鉄道』
- 地方資産家の投資行動と企業勃興--大阪府泉南郡貝塚町廣海家の事例
- 書評 老川慶喜・大豆生田稔編著『商品流通と東京市場』
- Railway Systems and Time Consciousness in Modern Japan (SPECIAL ISSUE The Birth of Tardiness--The Formation of Time Consciousness in Modern Japan) -- (Part1 The Drive to be on Time: The Contribution of Railroads)
- 明治期三菱の有価証券投資--合資会社成立以後を中心として
- 明治期における鉄道敷設と物流構造--北部九州地域を中心に
- 1997年の日本経営史
- 日本鉄道業の形成と鉄道政策(二) : 1869年〜1894年
- 日本鉄道業の形成と鉄道政策(一) : 1869年〜1894年
- 武知京三著, 『近代日本と地域交通』, 臨川書店、一九九四年十二月、三六二頁、三八一一円
- 日本鉄道業の形成と鉄道政策(2)--1869年〜1894年
- 日本鉄道業の形成と鉄道政策(1)--1869年〜1894年
- 戦後釜石製鉄所における熟練の再編 : 保全職場の事例(地方産業都市の興隆と安定 : 希望学・釜石調査からの考察)
- 林田治男『日本の鉄道草創期』ミネルヴァ書房 2009年
- 序文(地方産業都市の興隆と安定 : 希望学・釜石調査からの考察)
- 明治初期の鉄道事業構想 : 関西鉄道会社設立運動を中心として
- 明治初期の鉄道事業構想--関西鉄道会社設立運動を中心として
- 老川慶喜著, 『産業革命期の地域交通と輸送』, 日本経済評論社、一九九二年十月、三七〇頁、六、一八〇円