ササリンドウにおける青花およびピンク花色識別DNAマーカーの開発
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概要
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DNAマーカーによるリンドウの花色簡易識別手法の開発を行った.ササリンドウ(Gentiana scabra)のピンク花品種は,フラボノイド3',5'-水酸化酵素(F3'5'H)遺伝子にレトロトランスポゾンGsTRIM1が挿入された機能欠損変異であることが分かっている.F3'5'H遺伝子の本変異について,PCR法によるS__-equence-T__-agged S__-ite(STS)マーカー化を試みたところ,GsTRIM1挿入領域の有無が検出できる共優性マーカーが作出された.そこで,ササリンドウ系青花育成系統とピンク花育成系統間で交配したF_1集団を用いて遺伝解析を行ったところ,ピンク花形質は1遺伝子座の変異に支配されていることが確認された.また,179個体の交配F_1集団においてDNAマーカーによる遺伝子型と開花した花色は完全に一致していた.リンドウは,播種から開花まで長期間を要するため,今回開発した花色識別DNAマーカーを利用することで,育成集団の早期選抜や栽培にかかる労力およびコストの軽減,交雑親の選定や品種識別への応用が期待される.
- 2009-03-01
著者
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阿部 潤
岩手県農業研究センター
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山村 三郎
財団法人岩手生物工学研究センター
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山村 三郎
(財)岩手生物工学研究センター
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西原 昌宏
財団法人岩手生物工学研究センター
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阿部 潤
岩手農研セ
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柿崎 裕子
財団法人岩手生物工学研究センター
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中塚 貴司
財団法人岩手生物工学研究センター
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川村 浩美
岩手県農業研究センター
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阿部 善子
財団法人岩手生物工学研究センター
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川村 浩美
岩手県農業研究セ
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