家兎ノ體内ニ輸入セラレタル萄葡糖ノ運命ニ就テノ研究補遺
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概要
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流血中ニ注入セラレタル葡萄糖ハ注入直後既ニ其ノ大部分血管内ヨリ消失スルコトハ,多數學者ニヨリテ檢索確證セラルヽ所ナリ.而シテ此ノ消失糖ノ運命ニ關シテハ未ダ解決セラルヽ所ナシ.葡萄糖注入後肝臟糖原質ノ増量又ハ肋膜腔,腹膜腔叉ハ消化管腔等ヘ排出サルヽモ,其量ハ極メテ少量ニシテ,注入直後ノ糖消失ノ原因トナスニ足ラズト云フ.而シテ此ノ消失糖運命ニ關シテハGoldscheider等ノ「體細胞ハ皆總テ糖ヲ收容スルノ能力アリ」トノ假説ハ今ヤ廣ク信ゼラルヽ所ナリ.而シテScaffidi, Verzar, Nomura, Baba等ハ糖液注入後呼吸商ノ上昇スルヲ見テ,注入セラレタル糖液ノ一部ハ直ニ燃燒セラルヽモノナリト云フ.果シテ然ラバ,含水炭素ノ中間代謝産物ナルあせとあるでひーどハ増加スベキ理ナリ.之余ガ本實驗ヲ企テタル所以ナリ.家兎ノ耳靜脈ニ20%葡萄糖水溶液ヲ體重1kgニ付キ5.0cm^3ノ割合ニ注入シテ,注入後5分,1時間,2時間,3時間,4時間ニ採血シ,血液乳酸,あせとあるでひーど及ビあせとん體ノ消長ヲ檢シ,次ノ結果ヲ得タリ.1)血液乳酸ハ注射後5分ニシテ,既ニ減少シ,其後漸次減少ノ度ヲ増シ,4時間後ニ於テ39%ノ減少ヲ示ス.2)あせとあるでひーどハ注射後5分ニシテ,77%減少シ,其後次第ニ回復ニ向フト雖モ,4時間後一尚38%減少ヲ示セリ.3)あせと體モ其ノ減少率ヲ異ニスレ共,あせとあるでひーどト同樣ノ像呈ス.4)以上ノ成績ニヨリテハ,輸入ラレタルウ葡萄糖ガ酸化セラルヽモノトハ考フルヲ得ズ.5)輸入セルレタル葡萄糖ノ運命ニ就テハ,他ノ方面ヨリ檢索セラルベキモノナリ思考ス.
- 京都府立医科大学の論文
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