とりぱふら〓いんノ副作用ニ就テノ實驗的研究
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概要
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とりぱふら〓いんハ各方面ニ於テ之レヲ使用シ我ガ專門領域ニ於テモ各種ノ疾患ニ之レヲ應用シテ絶大ナル偉効ヲ奏シツヽアリト雖モ一面之レニ因リテ惹起セラルヽモノト推定セラレタル副作用モ亦甚ダ多數ニシテ各方面ニ於テ之レ等ノ報告頻々タルモノアリ.是ノ如ク其ノ副作用モ觀過スベカラザルモノアリテ一時原病ノ治療スラ中止セザルヲ得ザルコト尠シトセズ.且ツ是レ等ノ副作用ト認メラルヽモノハ多クハとりぱふら〓いんノ連續靜脈内注入ニ依ルモノ多シ.此處ニ於テ予ハ健康ナル成熟家兎ヲ試獸トシテ是レ等ニ1.0%並ニ0.5%とりぱふら〓いん溶液ノ二種ヲ各々體重1kg.ニ付1.0-2.0ccm.ヲ毎日1回ヅヽ連續靜脈内ニ注入シタルニ試獸ノ大多數ハ第1回乃至第3回ノ注入後強烈ナル下痢ヲ惹起シ,漸次襲來スル全身衰弱ノ下ニ3-33日ノ經過ヲ以テ結局死ニ至ルモノナリ.之レ等試獸ノ心,腎,肝等ノ内臟ヲ組織學的ニ檢査シタルニ何レモ強度ノ微細顆粒状ノ脂肪沈着ヲ蒙ルト同時ニ之レ等ノ構成細胞ハ溷濁腫脹ニ陷ル等ノ強度ノ變化ヲ證明スルコトヲ得タリ.以上ノ臨床的並ニ組織學的所見ハ吾々臨床醫家ノとのぱふら〓いん使用ニ對シテ一定ノ警告ヲ與ヘタルモノニシテ從來本劑ノ靜脈内注入ハ白鼠,家鼠或ハ家兎ニ就テノ實驗ノ教フル所ニ由レバ其ノ致死量ハ體重1kg.ニ付キ0.015乃至0.025g.ナリトセラレタレ共本實驗ニ由レバ既ニ1kg.ニ付其ノ1回量0.005g.ハ致死的ニ作用スルモノナルヲ以テ現今人體ノ靜脈内ニ使用シツヽアル本劑ハ其ノ副作用頻々タルニ鑑ミ濃度ノ點ニ於テ或ハ又量ニ於テ尚一考ヲ要スルモノナルベシ.
- 京都府立医科大学の論文
- 1934-00-00
著者
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