癌患者尿ノ家兎副腎ニ對スル影響
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概要
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副腎皮質ハ毒物ニ對シ鋭敏ニシテ,著明ナル病理解剖的變化ヲ現スハ既ニ明ナル事實ナリ.1934年佛ノM.Aronハ癌腫診斷上興味アル一新事實ヲ發表セリ.即チ氏ハ癌患者ノ尿ヲ95%ノあるこーるヲ以テ處置シ,家兎ニ連續注射シテ副腎ノ變化ヲ組織學的ニ研究セリ.即チへまときしりん,えおじんニヨリ,家兎副腎皮質,殊ニ生理的ニりぽいどニ富メル束状帶ノ著明ニ染色セルヲ認メタリ.然レ共結核,黴毒,肺炎等癌以外ノ患者尿ヲ以テシテハ上述ノ變化ヲ呈セズト.斯カル副腎皮質ノ異常染色ハりぽいどノ消失ニヨルモノトナシ,癌診斷上ノ一知見ナリト提唱セリ.M.Aronノ所謂癌反應ハ興味アル所見ナルヲ以テ,著者ハ更ニ癌患者及ビ結核,黴毒,肝臟疾患者及ビ健康者ノ尿ヲ法ノ如ク處置シ,體重1.8-2.0kgノ家兎ニ連續注射シ,該家兎ノ副腎,コレト關係深キ甲状腺及ビ肝臟ヲへまときしりん,えおじん染色ニヨリ病理組織學的ニ檢セリ.尚對照トシテハ健康者尿ニ就キ,及ビ更ニ全ク何等處置ヲ加ヘザル健康家兎ノ副腎ノ状態ヲモ檢セリ.癌患者尿ニヨリ副腎皮質ハ強ク紫赤染シ,特ニ食道癌ノ例ニアリテハソノ度著明ナルヲ觀タリ.肝臟ハ概シテ鬱血ノ所見ヲ呈シ,甲状腺ニ於テハ子宮癌ノ例ニ機能亢進ノ像ヲ認メタリ.他疾患例中,黴毒性肝脾臟腫瘍者ノ尿ニヨリ,副腎皮質ハ癌ニ見タルガ如キ類似ノ反應ヲ呈セルモ癌ニ比スレバ其度少シク弱キガ如キ觀アリ.健者ノ尿ニヨル副腎ノ變化及ビ全ク處置セザル健康家兎ノ副腎ヲ檢スルニ,稀ニへまときしりん,えおじんニヨリ稍々染色シ,癌反應ニ似タルガ如キモノアレド癌反應ノ如ク強度ニアラズ.サレドAronノ説クガ如ク既述ノ變化ハ特有ナル癌反應ナリトハ主張シ得ズ.教室森宗,岡本2氏ハあるこーるニテ處置セル癌患者尿ヲ家兎ニ注射シこれすてりんノ増加ヲ認メタリ.既述著者ノ所見ハ兩氏ノ所見ト相俟チテ癌患者尿ニハ生體化學機轉ニ影響スベキ未知ノ物質ノ存在スルヲ示スモノナリ.
- 京都府立医科大学の論文
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