1206 健側下肢運動による動力義足の制御システム構築と能動股義足への応用(OS4 福祉工学とリハビリテーション(1))
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概要
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ヒトは歩行の際に下肢を振り出し、適切な位置へ着地することで安定した歩行を実現している。ところが、下肢切断や麻痺によって随意に振り出しが行えないと、適切な位置への振り出しが困難となり転倒までの安全余裕が著しく低下する。本稿では歩行中の下肢の協調運動に着目した着地位置の推定法を提案し、数学的歩行モデルによる解析と6名の健常者(23〜26歳)の歩行動作解析の結果を紹介している。さらに提案する着地位置推定法の応用例として股関節軸と膝関節軸を随意に駆動可能な能動股義足を開発し、動作実験の結果についても報告している。着地位置の推定法は、支持脚の動作情報(股関節と膝関節の屈伸角度)から腰部の移動速度を推定し、その速度成分に比例して決定される極めて単純な手法を提案した。この手法を用いて、矢状面上の動作を考慮した5質点歩行モデルの着地位置の指令とし、歩行周期1[sec]で0〜およそ1.5m/sまでの歩行を実現可能であった。健常者の歩行においても着地位置推定法を適用した結果も良好なものであった。本提案手法は義足の振り出し制御や、装具による歩行補助機能、筋肉の電気刺激による下肢運動システム(FES:Functional Electrical Stimulation)への応用が期待できる。応用事例として能動股義足の制御に採用し、健常者がこの義足を装着可能な装具を製作し、健常者による平坦面での動作試験を実施した。
- 2007-09-21
著者
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