あせとにとろぐるこーぜノ藥理的作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Koenig及ビKnorrノ記載ニ從ヒあせとにとろぐるこーぜヲ製出シ,其ノ藥物學的作用ヲ明カニスル爲メ,之ガ血液循環及ビ呼吸ニ對スル作用ヲ亞硝酸あみーる及ビ亞硝酸曹達ノ作用ト比較研究シ,次ノ結果ヲ得タリ.固有ノ實驗ヲ行フニ先チあせとにとろぐるこーぜノ毒性及ビ致死量ヲ定メタリ.コノ目的ニハ青蛙,まうす及ビ家兎ヲ用ヒ,本藥物ヲ靜脈内或ハ皮下ニ與ヘタリ.あせとにとろぐるこーぜヲ靜脈内ニ與ヘタル場合ノ致死量ハ,青蛙ニ對シテハ體重10瓦ニ就キ0,01-0,02瓦ニシテ,まうすニ對シテハ0,05-0,01瓦,家兎ニ對シテハ體重1瓩ニ就キ0,3-0,4瓦ナリ.前二者ニ於テハ本藥物ヲ體重10瓦ニ就キ0,1瓦皮下ニ注射セシモ死ヲ來サヾリキ.亞硝酸曹達ノ致死量ハ靜脈内注射ニ於テハ青蛙ノ體重10瓦ニ就キ0,003瓦ニシテまうすニ對シテハ0,001瓦ナリ.之等ノ量ハ皮下注射ニ於テモ殆ンド同樣ナリ.分子量ニ就テ計算スルトキハあせとにとろぐるこーぜ及ビ亞硝酸曹達ノ靜脈内注射ニ於ケル致死量ハ同一種類ノ動物ニ對シテハ殆ンド同一量ナリ.あせとにとろぐるこーぜヲ靜脈内ニ注射スルトキハ家兎ノ血壓ハ強ク下降ス.本藥物ノ血壓下降作用ヲ之ト同一分子量ニ於ケル亞硝酸曹達及ビ亞硝酸あみーるニヨル同作用ト比較スルトキハ亞硝酸あみーるノ作用ハ最モ強ク且ツ最モ迅速ナリ.他ノ兩者ハ血壓下降作用ノ強度ハ殆ンド同樣ナレ共あせとにとろぐるこーぜノ作用ハ亞硝酸曹達ノ作用ニ比シ迅速ニ出現シ且ツ迅速ニ消退ス.皮下注射ニ於テハ之ニ反シ前者ニヨル血壓下降作用ハ後者ノ作用ニ比シ緩徐ニシテ恢復モ亦遲ク,前者ノ作用持續時間ハ後者ノ三倍以上ナリ.あせとにとろぐるこーぜヲ胃内ニ注入スルモ血壓ヲ下降スルコトナシ.之等藥物ノ血壓下降作用ハ家兎ノ兩側ノ迷走神經ヲ切斷スルモ又延髓ヲ破壤スルモ影響セラレズ.家兎ノ靜脈内ニあせとにとろぐるこーぜ或ハ他ノ亞硝酸化合物ヲ注入スルトキハ動脈血壓ノ下降ト共ニ靜脈血壓ハ上昇ス.而シテ此ノ際呼吸ハ迅速且ツ大トナレ共一二分ノ後ハ反對ニ緩徐且ツ小トナリ,次デ常態ニ恢復ス.之等ノ藥物ニヨリテ起リタル血壓下降ト同時ニ腸及ビ四肢ノ容積ハ増大スレドモ,腎臟ノ容積ハ之ニ反シ減少ス.
- 京都府立医科大学の論文
著者
関連論文
- 牛精虫ノめちーれんぶらうニ及ボス作用に : 第三編 諸種藥物ノ影響
- 牛精虫ノめちーれんぶらうニ及ボス作用 : 第一編 牛精虫ノひどろげなーぜニ就テ
- 牛精虫ノめちーれんぶらうニ及ボス作用 : 第二編 いおんノ影響
- てとらひどろ-べーた-なふちーるあみんノ循環系統ニ及ボス作用及ビ其ノ血壓下降作用ノ本態ニ就テ
- 牛精虫ノめちーれんぶらうニ及ボス作用
- 二三痙攣毒素ノ解毒現象ニ就テ(第七十九回學術集談會演説抄録)
- あせとにとろぐるこーぜノ藥理的作用
- 二三痙攣毒素ニ對スル肝臟ノ解毒現象ニ就テ
- 精虫ノ酸化作用ノ研究(第六十九回學術集談會演説抄録)