食料政策と協同組合・NPOの役割 : フードシステムの新潮流との関連で
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概要
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21世紀の経済社会は,生態系持続の農・工・商複合化産業への転換が人類の基本的課題である。本論文は,その一環として食料政策の転換についてフードシステム論を重視して論考し,さらにNPO(広義)セクターの重要な一翼を占める協同組合の役割を「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」を重視して総論的に考察している。食料政策は,政府が「市場に過度に任せる」施策を推進する場合は強者に有利で,弱者に不利に働き,社会的・経済的な公正さを歪め,そのしわ寄せは本格的に育成・支援すべき認定農業者等の先導的な担い手の意欲の後退や次世代づくりの弱体化,自然環境の劣化,さらに水田農業(用水の集落的・集団的管理による稲作農業)の育んできた日本文化のアイデンティティの衰退につながりかねない点を明らかにしている。すなわち,21世紀のフードシステムと持続型政策は,「市場メカニズムの進化」とともに「非市場的諸要素」である「地球規模での人間と自然のあり方,公正さ,生活価値,食農教育価値,健康増進価値」とバランスをとりながら,フードシステムのグローバル化と技術・経営革新の本来的進化を支援できる「行政改革と有機的・循環的評価システムの導入」が大きな課題である点を明らかにしている。
- 2009-03-16
著者
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