半夏厚朴湯合苓桂朮甘湯が有効であった多汗症の一例
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概要
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多汗症に対して半夏厚朴湯合苓桂朮甘湯が奏効した一症例を報告する。症例は65歳男性。50歳ごろより手掌,足底,背部を主とする全身の発汗過多があり,星状神経節ブロックによる治療を受けたこともあるが効果は無かった。痰飲,気滞,気逆と診断して,半夏厚朴湯合苓桂朮甘湯を処方したところ,発汗過多は軽快して,随伴する咽頭部閉塞感,安静時の動悸,軽動作時の息切れ,残尿感などの症状も軽減した。これらの症状群は,湿疾によって上焦中焦間の気津の流通が障害された結果であり,半夏厚朴湯合苓桂市甘湯の化痰飲,理気,降逆など作用によって気津の流通が正常化して症状群が軽快したものと考察した。多汗症に対する随証的漢方治療の一例といえる。
- 社団法人日本東洋医学会の論文
- 2009-01-20
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