増加する非典型雇用 : 人材ポートフォリオ、日本的労使関係からの考察
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概要
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近年、パートタイマーなどの非典型雇用が、著しく増加してきた。その背景には、経済のグローバル化による市場競争の激化、すなわち経営環境の変化があると言われている。また、年功的な賃金制度の下では、社員の高齢化による人件費高騰の影響が大きいため、総人件費管理の重要性が増したと考えられる。このような状況の中で、典型雇用と非典型雇用の最適な組み合わせが追求されている。非典型雇用の活用が進展している業種であるスーパーマーケットQ社(仮称)について、事例研究を実施した。また、一般的な企業別組合では、正社員という身分が加入条件であるため、非典型雇用は除外されている。しかしながら、従業員の中で、非典型雇用が多数を占める場合、従来の方式では組合の影響力が低下してしまう。非典型雇用の立場からは、未組織であるために集団的労使交渉を行うことができず、処遇の改善を訴える術がない。そこで、この問題に関して、日本最大のナショナル・センターである日本労働組合総連合会(連合)にインタビューを行った。その結果、連合は非典型雇用の処遇改善のために、同一価値労働同一賃金(同一労働同一賃金とは異なる)という概念を重視していることが明らかになった。最後に、この概念が非典型雇用の処遇改善に役立つかという点について考察を加えた。
- 放送大学の論文
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