北海道日高帯トムラウシ地域の日高累層群
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概要
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トムラウシ地域の日高累層群は主として,黒色頁岩,灰色珪質頁岩,細粒砂岩,緑色または赤色頁岩,チャート,緑色岩より構成される.この地域の日高累層群は,整合一連の堆積物のようであり,次の7つのユニットに分類できる.(1)珪質頁岩,砂岩を含む黒色頁岩層,(2)黒色頁岩優勢砂岩・頁岩互層,(3)黒色頁岩を含む緑色岩層,(4)礫岩を含む黒色頁岩層,(5)緑色又は赤色頁岩層,(6)砂岩優勢砂岩・泥岩互層,(7)珪質頁岩を含む黒色頁岩層.この地域の日高累層群の年代は放散虫化石によると後期白亜紀と考えられる.これらの堆積物中には,前期アルビアンから後期セノマニアンを示すチャートの外来岩塊が含まれる.堆積岩の全岩化学組成の検討によると,緑色(赤色)頁岩やチャートは,黒色頁岩,珪質頁岩よりも,より深海底の堆積物の特徴を示す.この地域の日高累層群の砂岩は,湧別・サロマ層群のものとは明らかに異なり,メナシュマン層や,函淵・中の川層群の一部と類似性を示す.
- 1987-01-25
著者
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渡辺 寧
地質調査所北海道支所
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渡辺 寧
Geological Survey of Japan,Hokkaido Branch
-
岩田 圭示
Department of Geology and Mineralogy, Faculty of Science, Hokkaido University
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渡辺 寧
Geological Survey Of Japan Hokkaido Branch
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