第74回東京女子医科大学学会総会シンポジウム「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設について」(2)東京女子医大-早稲田大学の医工連携の成果例-体内埋込型補助人工心臓(EVAHEART)の開発と臨床応用-

概要

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早稲田大学と東京女子医科大学とはすでに40年にわたり、人工臓器の分野での共同研究を進めてきたが、その連携をさらに拡大・強化・展開する場所として、2008年春に両校の連携施設「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設」(略称は両校の頭文字とInstitutionよりTWInsと命名)が開設した。両校の研究者同士が自由に交流できる環境こそが真の医・理・工連携が出来る環境になる、というコンセプトに基づき、建物がデザインされた。二つの学校法人が一つの施設内に同居する例は稀であるが、連携協議会が組織されて、新しい研究、開発、教育の運営が開始され、現在早大から約400名、女子医大から150名が入居している。すでにいくつかの連携成果が出始めているが、その一例として、体内埋込型補助人工心臓(EVAHEART)について概説する。,東京女子医大の山嵜健二教授のアイデアを実現化するため1991年より、ベンチャー企業であるサンメディカル技術研究所(長野県諏訪市)、東京女子医大、早稲田大学、米国ピッツバーグ大学が共同開発を進め、それに特殊技術を有する内外の企業約50社が参画して体内植込み型遠心ポンプEVAHEARTが実用化できた。ポンプのいわゆる心臓部である回転翼の部分の設計は高速流体が専門の早大の教授が担当し、その回転軸を支持する部分の設計は潤滑が専門の教授が担当した。また、生体適合性や耐久試験に関しては生体工学が専門の著者が担当した。今までに18例の臨床応用を行い、脳出血、脳梗塞、多臓器不全で4例の死亡例があるが、3年半にわたってバッテリーを背負ったまま就労復帰を果たしている最長例をはじめ、EVAHEART装着者は退院、自宅療養あるいは社会復帰を果たしている。今までの著者の医工連携の経験により、異分野融合教育でニーズ・シーズ両分野の目利きを育てることがバイオメディカルエンジニアリング分野の発展のために重要であり、この連携施設(TWIns)の果たす役割は大きいと信じている。
2009-03-25

第74回東京女子医科大学学会総会シンポジウム「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設について」(2)東京女子医大-早稲田大学の医工連携の成果例-体内埋込型補助人工心臓(EVAHEART)の開発と臨床応用-

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