コハクカノコ科貝類概説
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概要
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1960年代後半にジャマイカ沖から層孔虫の「生きた化石」といわれる硬骨カイメンが発見されて以来,サンゴ礁域の沈水鍾乳洞や溶岩洞窟など,浅海の隠生的な場所から特異な動物群が相次いで発見され,進化学的・生態学的な注目を集めてきた。貝類については,国立科学博物館の加瀬友喜博士が中心となって,世界各地の海底洞窟を対象とした大規模な調査を行っている(加瀬・速水,1994;速水・加瀬,1994)。その結果,アマガイモドキやオオベッコウガキなどの遺存種や,アマダレガイなど未だ所属の分からない分類群を含む興味深い群集が見いだされ,これら貝類の分類・進化・生態(e.g., Kase & Hayami, 1992; Hayami & Kase, 1993, 1996; Kase & Kano, 1999, 2002; Lozouet, 2004),あるいは過去の海洋環境変動の指標としての洞内堆積物遺骸群集の有用性(北村・他,2003)について報告がなされたほか,現在も数多くのプロジェクトが進行中である。本稿では,アマオブネ上目コハクカノコ科腹足類における一連の研究を概説すると共に,同科の邦産種について新和名とともに紹介したい。
- 2006-10-10
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