数種の落葉広葉樹とスギの幼齢林分における乾性沈着量と溶脱量について
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概要
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スギ,センダン,ユリノキ,ヤマザクラ,ケヤキの5樹種の幼齢林分で林外雨,林内雨および樹幹流の量と含まれる溶存成分の濃度(Cl^-,NO_3^-,S0_4^<2->,NH_4^-,K^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>,Na^+およびpH)を測定した。測定した溶存成分は,である。これらに含まれる成分量から養分収支法により乾性沈着量,溶脱量の推定を行い樹種特性について検討した。乾性沈着量は各樹種とも,アニオン量とカチオン量はほぼ同じであった。スギの乾性沈着量は全成分とも落葉広葉樹4樹種より2〜4倍多かった。これは,スギが常緑であることと葉の構造が立体的であることなどが原因と考えられた。溶脱量は広葉樹4樹種がスギよりも多かった。溶脱量はカチオンが明らかに多かった。特に,ユリノキのMg^<2+>,Ca^<2+>は林地への供給量の80%以上が溶脱によるものであった。また,ケヤキでは林内雨+樹幹流によるCl^-の供給量が多く,これは溶脱によるものと推定された。また,広葉樹では林外雨による供給量以上に溶脱している成分があった。
- 2005-06-25
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