滑川道夫読書指導論の特徴に関する一考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,子どもの読書活動が活発に行われている。なかでも学校教育は大きな役割を果たしている。これまでも,学校教育では読書指導が行われてきた。したがって,今後の読書指導のあり方は,これまでの読書指導の展開過程を踏まえて考えることが重要である。本稿では,戦後の読書指導を主導した滑川道夫の読書指導論について検討を行い,その特徴を明らかにし,滑川読書指導論の意義と限界を考察した。その結果,(1)滑川読書指導論には「読書に関する生活指導」と「読書による生活指導」の2つの観点があること,(2)読書指導では「読書に関する生活指導」に加え,「読書による生活指導」を重視するべきであるという考えを段階的に明確に示したことが明らかになった。滑川読書指導論の意義としては,子どもの情操や知力を育てる読書指導が重要であることを提起したこと,限界としては,読書指導のあり方を示すにとどまったことを挙げることができる。
- 2008-09-30
著者
関連論文
- 学校図書館司書教諭課程におけるブックトークの実践--2年間の試行錯誤から得られた成果と課題 ([図書館綜合研究]10号記念小特集 現代図書館のperspective)
- 北海道夕張市における子どもの読書環境の現状と課題--夕張市図書コーナー,市立学校図書館と北海道立図書館の担当者への調査から
- 北海道夕張市における子どもの読書環境の現状と課題
- 小学校、中学校における読書指導の変遷と展望 (第37回全国学校図書館研究大会(静岡大会)研究集録 研究主題 知識をつなげる 学びをひろげる 心をはぐくむ学校図書館) -- (海外レポート・共同研究・活動報告・問題提起・研究発表)
- 子どもの読書活動を推進する取り組みの活発化と学校における読書指導--2000年から2004年までの文献レビューを通して
- 情報リテラシー育成における読書指導の位置づけ--両者の関連性に関する一考察
- 小学校・中学校における読書指導の実践に関する報告記事の分析--全国学校図書館研究大会を事例として
- 滑川道夫読書指導論の特徴に関する一考察
- 学校図書館における情報リテラシー育成の意義と課題 : 東京学芸大学附属小金井小学校における図書館利用指導の実践を通して
- 教員の読書指導への意識や実態を踏まえた学校図書館の支援のあり方 : 高等学校を対象とした調査をもとに