医学・医療系図書館員の認定資格制度
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概要
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医学・医療系図書館員の認定資格については,これまで病院図書館員認定資格制度とヘルスサイエンス情報専門員認定資格制度が検討されている。前者は実現しなかったが,後者は2003年に成立し,翌年認定資格者を送り出している。本稿では,この二つの制度を比較検討し,制度の背景を明らかにすると共に,今後の認定資格制度の検討に向けて,その意義と課題について考察した。研究の結果,制度成立の背景の中でもっとも大きな要因は専門職教育制度の不備であり,医学・医療系図書館員の向上心は,この不備によってもたらされたことが分かった。二つの制度は,民間団体による専門分野の図書館員の認定資格制度の試みとして大きな意義があり,特に,医学・医療系図書館における図書館員の必要性を明らかにし,実現可能な方法を追求した点に意義があることを示した。その反面,認定資格制度の段階的整備や学修領域の明示の必要性など課題があることも指摘した。
- 日本図書館情報学会の論文
- 2007-09-20