家政学部のカリキュラムの変遷(第二報)
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概要
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10回にわたるレイクプラシッド会議の参加者は、家族や家庭生活に関心を持った人々であった。色々意見はあったが、この分野の名称をHome Economicsと決めた。そしてHome Economicsを定義づけたが、人と環境との関係の学とする広義の定義もあれば、女性の活動範囲を家庭内の仕事に限定して衣、食、住、金銭の管理と見る狭義の定義もあった。参加者のHome Economicsの見方は色々であった。家庭の問題を解決するために、女性の家事を中心にしたカリキュラムが多々あった。Richardsはこのような女性の教育はすべての人々の生活をよりよくする手段だと考えた。家庭を強化するためにテクノロジカルな発展を女性の環境に持ち込むことが必要だと思った。他方、Home Econimicsは男性にも女性にも同じように大切な科目であり、広い教養と専門知識で能力を開発し、家庭の中に限らずより大きな社会全体の益のために用いようとする別の考え方もあった。第10回会議が終わった翌年アメリカ家政学会が結成され、Richardsは初代会長になった。アメリカ家政学会の目的は、家庭、施設、コミュニティの生活条件の改善であった。家庭問題に関心を持った人々を会員に歓迎した。アメリカ家政学会は1913年家政学教授細目を出した。それによると、Home Economicsは、(1)食物、(2)被服、(3)住居、(4)経営管理、に分けられているが、これは家事作業の分析による分類であり、健康、安全、快適、美、経済的能率が理想とされた。これはレイクプラシッド会議の狭義のHome Economicsの方であった。
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