韓国語と「キチェ語」の/h(〓)/音の比較研究
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概要
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/h(〓)/音を中心に韓国語とマヤ語の範疇であるキチェ語を中心にみてきた。二つの言語は地域的にも言語の系統においても、親縁性が全くなさそうであるが、共通点も多く見えている。地域的にも遠く離れ、また文化的環境も異なるにもかかわらず、共通点と相違点がみられるのである。この稿では/h(〓)/音を中心に二つの言語を比べて見たてきたのであるが、韓国語の場合ハングル創製以後/h(〓)/音が徐々に消えている。これはもうちょっと楽で手短かに発音するための人間の経済的な心性に起因していると見られる。しかしながら意味の誤解をまねく可能性のある語彙の初音節には/h(〓)/音を必ず発音することになっている。マヤ語の中でのキチェ語は、調査語彙の中半切以上で/h(〓)/音が使われていることが明らかであった。これはマヤ語が備えている非喉頭化音と、喉頭化音の兩分法的語彙発音に起因する。すなわち喉頭子音化、声門閉鎖によって語彙の意味が変わるために必ず/h(〓)/音を発音することが必要なのである。これは韓国語から最初音節に来る/h(〓)/音を必ず発音することと一致している。
- 龍谷大学の論文
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