青年期の自己愛と対象関係について : 臨床事例の観点から
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概要
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自己愛の発達とその病理については,自己愛および,対象との関係に関する理論的考察や,幼少期の愛着と適応に関する諸研究によって拡充されてきた。とりわけ,親子間の相互作用についての研究は,自己愛性人格障害患者の早期の性格形成や,その行動の特徴の理解に役立つ現象に焦点を当てられてきた。自己愛の歪みは,青年期に自己同一性を獲得していくうえで,対人関係や進路選択を通し,他の立脚点に立てないということからくる苦悩としてあらわれる。青年期は,特有の自己愛の高まりがあり,大人になるうえで健康的な自己愛へと調整を図る最終段階なのである。本稿は,自己愛傾向が強く「いい子」と言われてきた青年期の女性が健康的な自己愛や対象関係を獲得していく過程を示し,青年期に見られる,傷つきやすさと防衛,対象関係における特徴について考察する。
著者
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