河東節とその三味線方
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概要
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江戸浄瑠璃の河東節は、享保2年(1717)初代河東が江戸市村座の舞台に登場したことに始まる。本来座敷浄瑠璃であったが、約50年ほどは歌舞伎でも活躍した。山彦源四郎は初代から四代目河東の三味線方を勤め、歌舞伎と座敷の両方で活躍した。河東節の三味線はハジキ、スクイ、ウラバチなどに特色があるが、この河東節三味線の基礎を作ったのが山彦源四郎といわれる。これには歌舞伎に出演して外部の三味線方と共演した事が大きく影響していると思われる。山彦源四郎とその他の河東節に関わる三味線方の動向を、音曲正本によって検証する。また「上調子」という高音部の三味線との合奏は、河東節だけでなく他の三味線音楽でも行われるが、上調子の発生には河東節が歌舞伎に出演し、歌舞伎の下座音楽の一つとして「琴」と共演した事がきっかけになったのではないかという説がある。この上調子発生の経緯についても考察する。
著者
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