携帯電話を端末とするオンライン双方向教育システムの開発と効果測定
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概要
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本研究の目的は,授業の効果を高めるための携帯電話の活用法の探求であった。そのために,次の3種類のプログラムを開発した。1学生が特定のテーマに関心を持つようにするための電子メールクイズ,2学生からの「質問紙」の携帯電話によるフィードバック,3講義運営をスムーズに行うための携帯電話による出席スリップ。第1の成果は,電子メールによる英単語学習システムとして,3名の教員が試験的に運用した。「英単語:定義:訳語」という構造のデータベースから,教員が作成したひな形に従って単語を抽出するPHPスクリプトが作成された。試作プログラムはうまく動作し,問題はごく一部の旧型の携帯電話だけで発生した。しかし,準備に要する時間の長さ,そして学生からの直接の反応の少なさが,大きな問題として残った。クイズと電子メール学習のデータベースが統合されない限り,教員がこのシステムによる授業の準備のために時間を割くことは見込まれない。第2・第3の成果にも進展が見られた。以前の研究プロジェクトで,われわれは学生が「質問紙」を提出できるeラーニングモジュールを関発していたが,それは講義終了後に学生がコンピューター実習室に移動して入力・提出する必要のあるものだった。今回のプロジェクトでは携帯電話による入力・提出システムを関発し,学生が講義の教室で出席登録と課題の提出を行えるようにした。この結果,教員学生双方にとって課題の提出・管理に要する時間が軽減された。携帯電話の機種のために本システムに接続できない学生はわずかな割合だった。この点の改善とユーザーインターフェースの改良のためには,学生へのアンケート調査などを含む今後のさらなる研究が必要である。本研究によって,携帯電話がeラーニングシステムにおいてまた授業運営一般において重要な役割を果たしうることが,具体的に見通せるようになった。
著者
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奥田 統己
札幌学院大学人文学部
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グロース ティモーシ
札幌学院大学人文学部英語教育・教育工学専攻
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ジョンソン アンドリュー
札幌学院大学人文学部英語教育・教育工学専攻
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ヒンクルマン ダン
札幌学院大学人文学部英語教育・教育工学専攻
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石川 園代
札幌学院大学異文化コミュニケーション専攻
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