M-GTAを用いたNICU入院初期の児をもつ母親の子どもの受容プロセスの研究
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概要
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本研究の目的は,NICU入院初期の児をもつ母親の心理を,修正版グラウンデット・セオリー・アプローチを用いて分析し,子どもをスムーズに受け入れるプロセスを解明することにある。研究対象者は,NICUに入院した児をもつ母親38名,母親の看護記録の心理面を抽出して分析した結果,次のような適応のプロセスが明らかとなった。ほとんどの母親はNICUに子どもが入院をしたことを告知されると,【NICU入院のショック】を表し,同時に【子どもの身体に対する懸念】を抱く。そこで医師から病状説明を受け,母親が実際に子どもを見て触ることで,【生命の保障による安堵】をもたらし,【NICU入院の受容】へと変容する。その結果,【母性性の表れ】として言動が出現し,子どもをスムーズに受け入れるプロセスへと母子関係の構築が深まる。一方,【NICU入院のショック】から抜け出せず,子どもの【生命の保障による安堵】が得られない場合には【義務としての母親役割】になり,子どもの受け入れに問題があるプロセスとなり,母子関係の構築に支障をきたす可能性がある。この2つのプロセスから移行の鍵として,【生命の保障による安堵】の違いが明らかとなった。
著者
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