転移性肺癌との鑑別が困難であった肺犬糸状虫症の一例
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概要
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77才男性.2007年12月に健康診断を受診しPSA高値を指摘され,膀胱鏡下に生検を行い前立腺癌の診断となった.全身精査の胸部CTにて左肺下葉S^<10>に径10mmの小結節影を認め,肺転移が疑われた.前立腺癌の病期確定のために2008年1月21日,胸腔鏡下左肺下葉部分切除術を施行した.腫瘤割面は弾性軟で黄白色調を呈していた,術中迅速診断の結果は肉芽腫病変で,悪性所見は認めなかった.病理組織診断で切除標本にフィラリア虫体を認め,乾酪壊死を伴う肉芽腫を形成しており,確定診断となった.肺犬糸状虫症はフィラリアに感染した犬の血液を吸った蚊が媒体となりヒトへと感染する.画像上は孤立性円形腫瘤を呈するため,原発性肺癌や転移性肺癌との鑑別が問題となる.気管支鏡検査やCTガイド下生検では確定診断を得られることは難しく,確定診断には胸腔鏡下肺部分切除術を行うことが有用である.
- 2008-11-15
著者
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鹿田 康紀
国立病院別府医療センター外科
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鹿田 康紀
独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 呼吸器外科
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金子 聡
吉川病院
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鹿田 康紀
独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器外科
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金子 聡
独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器外科
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