乳癌術後に高CEA血症を呈した器質化肺炎の一例
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概要
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67才女性.2004年1月,他院にて右乳癌に対し胸筋温存乳房切除術施行.経過観察中の2005年9月,CEA13.3ng/mlと上昇を認め,12月には40.6ng/mlまで上昇を認めた.胸部CTにて右肺下葉に気管支拡張を伴う浸潤影を認め,FDG-PETにて同部位の高集積を認めた.全身精査の結果,肺以外の病変は認めず,原発性肺癌の疑いにて当科紹介入院となった.BAL, Brushing, TBLBではいずれも悪性所見,および特異的な炎症所見は得られなかった.診断的治療目的に2005年12月12日,右肺下葉切除術を施行した.病理組織診断の結果は器質化肺炎であった.切除後の2006年2月にはCEAは8.9ng/mlまで低下した.CEAは炎症性疾患で上昇することも希ではなく,癌病巣の検索と同時に炎症性疾患の有無を調べる必要があると思われた.
- 2007-03-15
著者
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鹿田 康紀
国立病院別府医療センター外科
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鹿田 康紀
独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 呼吸器外科
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横山 秀樹
独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 呼吸器外科
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横山 秀樹
独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器外科
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鹿田 康紀
独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器外科
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