急性心筋梗塞後左室自由壁破裂の1救命例
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概要
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急性心筋梗塞(AMI)後の左室自由壁破裂(LVFWR)は重篤な合併症であり,特にblow out型は救命が困難である.今回の症例は,64歳男性,ショック状態で当院に搬送され,心電図所見と心エコー検査での心タンポナーデの所見から前壁の急性心筋梗塞による左室破裂と診断し緊急手術を行った.手術では心膜を切開すると血餅が排出され左室前壁の破裂孔から血液が大量に噴出した.Electromechanical dissociation (EMD)となったため経皮的心肺補助装置(PCPS)と大動脈内バルーン・パンピング(IABP)を装着した.フェルト帯をあてモノフィラメント糸でのマットレス縫合で止血しさらにフィブリン糊などで圧迫止血を行った.術後肝不全を併発し血漿交換術・ビリルビン吸着療法を行い,第48病日に独歩退院した.術中にblow out型LVFWRを生じた症例に対しPCPS・IABPにより循環動態を維持しながら縫合止血を行い救命し得たので報告した.
- 2009-01-15