破裂性腹部大動脈瘤術後,中枢側吻合部仮性動脈瘤-直腸瘻の1救命例
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概要
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破裂性腹部大動脈瘤に対しY型人工血管置換術を行い,術後1年で大量下血をきたして発見された中枢側吻合部仮性動脈瘤-直腸瘻の症例に緊急手術を行い救命した.術後10ヵ月目のCT検査では,人工血管中枢側吻合部付近に小さな仮性動脈瘤がみられた.術後1年目に少量の下血をくり返したのち,大量下血をきたしたために,緊急で行った造影CT検査で中枢側吻合部破綻による仮性動脈瘤が直腸上縁(Rs)まで拡大していた.注腸造影検査では直腸穿孔がみられた.1週間後に人工血管周囲から左後腹膜腔にかけ膿瘍が拡大していたため,人工血管感染と判断し緊急手術を行った.手術は右腋窩動脈-両側大腿動脈バイパス術とY型人工血管の除去を行い,腹腔内デブリドマン・洗浄・ドレナージ・大網充填術・人工肛門造設術を行った.仮性動脈瘤・直腸穿孔・後腹膜腔膿瘍による人工血管感染に対し,緊急手術を行い救命したので報告した.日心外会誌37巻1号: 32-35 (2008)
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2008-01-15