株主重視ガバナンスと従業員重視ガバナンス : 日本企業の株主重視移行は正しいか(来住元朗先生退任記念号)
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概要
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コーポレート・ガバナンスをどのような形にするかということは,一国の資本主義をどのような形にするかということに繋がるが,その中心に位置する問題が株主重視型ガバナンスか従業員重視型ガバナンスかということである。従来から米国が株主重視であるのに対し日本は従業員重視であったが,法人企業統計から,わが国の大企業は2003年頃から急速に株主重視に舵を切り始めたことが分かる。「失われた15年」を経て,いまや企業は収益力を回復した。しかし,株主重視に寄ったせいで従業員の所得が増えなくなり消費不振を招くなどの悪影響が出始めた。日本がこれ以上株主重視に向かうのは好ましくない。株主のみを重視すべきという主張はさしたる根拠があるものでもなく,日本の終身雇用にマッチしないし,人々の幸せに繋がらない。
- 近畿大学の論文
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