研究ノート 認知論的教育論・授業論
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概要
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人が教育や授業の設計を議論するときには、議論のなかでの誤解による不毛な対立を避けるために、まず、自分自身の見解、あるいはもっと厳密には定義を表明することが大切である。この論文では、著者は教育を「概念の移植」、言い換えれば、生徒(学生)の脳内に有用な概念を形成することであると定義した。こうすることのより、授業はクラスでの概念移植の実践過程であるということになる。この定義はかなり無色透明で、この国で今噴出しているさまざまの教育の問題を議論するには単純すぎるかもしれないが、著者やまずこのような単純なものから出発して、将来的に考えを深めていきたいと望んでいる。教育の目標は、ある所定の期間内に生徒(学生)の脳内に埋め込まれる概念の総体ということになる。以上に加えて、本論では、人間の認知の観点から、概念についてとその形成に関しても議論している。