加齢による視覚機能の変化が姿勢制御に与える影響
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概要
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本研究では,姿勢制御時の視覚機能の変化がバランス能力に及ぼす影響について高齢者と若年者で比較することを目的として行った。対象は,若年群14名(19〜20歳)と高齢群14名(60〜84歳)とした。対象者にはアイマークレコーダー(EMR)を装着させ,Equi-test上,立位姿勢となり,前景盤と床面が動くSensory organization test 6の外乱刺激を加えた。その結果,高齢群では重心動揺の矩形面積の増大を認めた。加えて,EMRデータから,瞳孔径,停留時間,輻輳角および眼球運動の軌跡面積(左眼のみ)にて有意な差が認められた。この結果,高齢者では立位姿勢時の重心動揺の増大に伴い,眼球運動の軌跡は増大していた。また,奥行き知覚に必要な輻輳においても高齢者では有意な低下が認められた。このことから,視覚情報は,空間に対する身体の位置情報を伝達し,身体運動のための四肢のコントロールに重要であると考えられる。高齢者では,これらの機能が低下することで転倒に起因すると考えられる。
- 2008-12-25
著者
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塩田 琴美
了徳寺大学健康科学部理学療法学科
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池田 誠
首都大学東京健康福祉学部理学療法学科
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塩田 琴美
了徳寺大学健康科学部理学療法学科:首都大学東京大学院保健科学研究科保健科学専攻
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池田 誠
首都大学東京 健康福祉学部 理学療法学科
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塩田 琴美
了徳寺大学 健康科学部理学療法学科
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