初期ユニット家具シリーズ:ブルーノ・パウルの「タイプ家具」 : ミュンヘン手工芸連合工房における低価格家具生産の試みと規格化の萌芽
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概要
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タイプ家具は、ブルーノ・パウルが1908年にデザインし、ミュンヘン手工芸連合工房により製作販売された初期のユニット家具である。本論では、タイプ家具の意匠、寸法、価格及び関連資料を検討し、以下の事を明らかにした。1.タイプ家具は連合工房の10年来の二つの懸案事項(低価格化と支店の開設)の打開策として推進された可能性が高い。2.パウルはタイプ家具を多様な生活様式に対応可能な家具として計画し、市民にも手が届く価格で提供することを目指した。3.タイプ家具は、統一された寸法の部品を組み合わせ、居住空間に必要なあらゆる種類の家具に展開できるようにデザインされた。本論では最後にリーマーシュミートの機械家具との比較を試み、機械家具には工場生産される機械の工法を家具に応用する意匠上の工夫が見られるのに対し、同様に工場生産されたタイプ家具の木材の接合方法や意匠は伝統的なものであるのだが、寸法を吟味し、最低限の部品から成るユニットの無限の組み合わせを可能にしたそのコンセプトに革新性があることを指摘した。
- 日本デザイン学会の論文
- 2008-11-30
著者
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