統計的にみた農家労働力の就業、異動構造(資料分析)
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概要
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この報告のねらいは,農林省でおこなっている「農林漁家就業動向調査」をもとに,最近の農家労働力の就業,異動構造について,若干の統計的な概括をおこのうことである.いうまでもなく,この調査は33年度から実施されたのであるから,36年1-9月の結果をも考慮しながらまとめるとしても,この期間は,32年の中間的な部分恐慌の時期から,経済活況のピークにいたる経済の循環的な高度発展期にあたる.しかし,33年度が,調査の初年度であったことからくる調査員の不慣れを考慮すると,この調査結果の統計的分析は,きわめて制限された短期間を対象としておこなわなければならないこととなる.もし,この調査結果から現在の投資循環過程の労働力異動についての概括的な結論を得ようとするならば,余程の分析操作をおこなはなければならないし,いわんや長期的な,構造的な問題に接近しようとすれば,なおさら慎重な理論的準備が必要である.したがって,この報告は,農家の就業,異動構造が33-35年度の循環的な高度発展の過程で,どのように変化し,あるいは変化しようとしたか,を若干の問題視点に立つて,統計的整理をおこなったものて,農家就業構造についての理論的な検討は,つかの機会に展開したいと思う.
- 政治経済学・経済史学会の論文
- 1962-01-30