圧力差流を用いる電気クロマトグラフィーにおける電場の制御による分離性能の向上(<特集>高度分離へのたゆまぬ挑戦)
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概要
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圧力差流を併用するキャピラリー電気クロマトグラフィー(pCEC)は,液体クロマトグラフィーと電気泳動を融合させた分離分析手法である.pCECの送液は主として圧力差流であり,正・負いずれの電圧印加を行っても,試料成分をカラムから溶出させることが可能である.この特徴を利用し,クロマトグラフィー分離に,適切な方向及び大きさの電気泳動を組み合わせることで,分離選択性の簡便なコントロールや分離を損なわずに分析時間を短縮することが可能であることを示した.これらの目的に対しては,移動相組成と印加電圧の両者の動的なコントロール(デュアルグラジエント)が効果的であった.また,ペプチド分離のように比較的複雑な試料を対象とした場合,二つの機構を併用していることが分離に対して有効であり,印加電圧に応じて分離性能が向上した.更に,移動相組成のグラジエントを行った際に発生する,カラム軸方向の移動相組成及び電位勾配の不均一性を利用することで,試料成分のピーク幅の低減が可能であることを示した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2008-12-05
著者
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