ダイナミックスペクトル制御技術を適用したシングルキャリア伝送における繰返し伝搬路推定に関する検討

概要

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ダイナミックスペクトル制御を適用した伝送においては,送信側でスペクトルを任意の離散周波数に配置し送信することで,受信側ではスペクトル配置の影響が畳み込まれた,最大遅延時間が長いインパルス応答が観測されることになる.そのため,時間領域で伝搬路推定を行うのは演算量,トレーニング系列不足の面で困難となる.そのような問題点を解決するため,本稿では,送信シンボルの軟推定値のスペクトルで受信スペクトルを除算することで,周波数伝達関数を推定する繰り返し伝搬路推定手法を提案する.また,データ系列がシングルキャリア信号であるため,そのスペクトルのエネルギー密度分布が一定ではなく,エネルギーの小さい離散スペクトルを用いて伝搬路推定を行うと,推定精度が低下するという問題が生じる.そこで,異なるデータ系列では,スペクトルのエネルギー分布も異なるという点に着目し,複数のデータ系列を用いて伝搬路推定を行い,離散スペクトル毎に周波数伝達関数の推定値を平均化することで対処する.また,伝搬路推定誤差が繰り返し処理の振る舞いに与える影響をEXIT解析を用いて評価する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2008-08-20