自閉症幼児に対するモデリングを中心とした相互交渉型指導の効果(医療問題)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
要求を表現する1語文での機能的発話を獲得したが、コミュニケーションに問題を持つ6歳の自閉症の男児1名を対象とし自分の感情や行動についての発話獲得を目標とした相互交渉型言語指導を行った。出来るだけ自然な文脈で、対象児の遊びや発話に沿ったことばのモデルと象徴遊びのモデルを提示するモデリングを用いた指導の結果、ことばのモデル導入直後に、未来の行動に対する発話の模倣率と発話頻度が増し、遊びのモデルを加えた後に、現在の行動に対する発話頻度の上昇が認められた。未来の行動についての発話は対象児にとって模倣と発話の獲得がより容易であったことが推測される。また、自分の感情や行動についての発語数の増加に伴い、指導室、保育園、家庭の3場面で乱暴な行動の頻度の低下が認められた。本事例においては、非構造的な場面でのモデリングによる感情や行動についての発話の獲得が可能であり、相互交渉型言語指導の有妨性が示唆された。
著者
関連論文
- 自閉症幼児に対するモデリングを中心とした相互交渉型指導の効果(医療問題)
- 日本語版クラッタリングチェックリストの適用可能性の検討
- 吃音 (特集 研修医のための神経学的診察テクニック) -- (よくある主訴と診療の実際)
- 発話への注目・工夫について
- 言語聴覚療法学専攻学生の臨床場面における会話能力評定尺度作成の試み