スクールカウンセリングにおける家庭訪問を活用した不登校支援 : 「支援を求めない保護者」への支援という観点から
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概要
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本論文では,スクールカウンセラーが家庭訪問を行った不登校の2事例を紹介し,「支援を求めない保護者」への支援という観点から,家庭訪問の意義について検討した。その結果,以下の点が考察された。(1)スクールカウンセラーと「支援を求めない保護者」がつながるためには,保護者の守りを尊重しながらも,家庭訪問を通じて関わり続けることが必要である。スクールカウンセラーには保護者が支援を求めないでいる背景にある思いに対する配慮が求められる。(2)家庭訪問と同時に子どもあての手紙を用いることは,子ども本人のみならず,保護者にも影響を与える可能性がある。保護者への影響を考慮して手紙内容を選択することは,スクールカウンセラーが保護者と「子どものため」の協力関係を築くために役立つ。(3)家庭訪問を通じた保護者とのつながりを広げ,保護者の学校に対する信頼感を形成することは,スクールカウンセラーの重要な役割である。また,学校関係者と共にケースに関わることが,スクールカウンセラーのコンサルテーションの有効性を高めることが示唆された。
著者
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