『日本霊異記』説話の伝達について(第三十号記念号)
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概要
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『日本霊異記』には上中下三巻に合計一一六の説話が収められている。説話のそれぞれに伝承され来たった舞台があるが、それらの説話は、その舞台の地から、『日本霊異記』の著者とされる平城京の薬師寺にいた景戒の許へはどのようにしてもたらされたのであろうか。説話伝承の舞台の歴史的位置は、官道である七道に接するかそれに近く、郡内に国府・国分寺が所在する場合が多く、また、「市」など人や物・情報の集まる場所やその近郷が多い。説話の主人公は一般庶民よりも郡司など在地の有力豪族が多いといえる。説話の伝達者としては、そのような場所で、そのような人々と接することの多かった「商旅(の徒)」や交易に関わる者であった場合が多かったのではないか。
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