精神看護学実習における病棟と社会復帰施設での学びの特徴について第2報 : 精神看護の意味・役割に焦点を当てて
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概要
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研究目的は,A大学4年次精神看護学実習で,病棟実習をおこなった3グループと,社会復帰施設実習をおこなった3グループの学生が考えた,精神看護の意味や役割に焦点をあて,学びの特徴を明らかにすることである.分析対象は,6グループ(病棟3グループ,施設3グループ)46名が実習後に提出したレポートの内容である.分析方法は,学生が考えた精神看護の意味や役割に関する記述を実習施設別に抽出し,内容の類似するものをまとめてサブカテゴリとし,カテゴリ,コアカテゴリ化した.記述の抽出,カテゴリ化では,研究者間で繰り返し検討し,信用性の確保に努めた.両者の実習施設に共通するものとそれぞれの実習施設の特徴を分析した.受け持ち患者の特徴は,病棟はうつ病が最も多く,成人期と老年期の回復期の患者が大部分であった.社会復帰施設は統合失調症が多く,成人期の長期在宅生活者が大部分であった.学びを抽出した結果,135サブカテゴリ,45カテゴリ,11コアカテゴリに分類した.各施設において多くの共通した精神看護の意味・役割を学んでいた.一方で,各施設において患者層の違いや実習場所の特徴により学びに相違がみられた.病院実習では急性期の症状に対する看護や退院に向けた短期的視点での看護を考えることが多く,看護師が実践モデルを示すために精神看護の意味や役割について学生が理解しやすかった.また社会復帰施設では,慢性期の長期在宅精神障害者に対して疾患をコントロールしながら地域生活を送るための支援という中・長期的視点での看護を考えることが多く,指導員や精神保健福祉士の対象への関わりや教員が実践モデルを示す中で,学生が看護として何が出来るかを日々考える実習を行っていた.これらの看護の視点はともに重要であり,それらを学ぶための具体的な実習方法の検討や工夫が必要である.
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