青年とキリスト教
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概要
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現在日本のキリスト教会では、高齢化が大きな問題となっている。それは裏を返せば、教会に集う若者の数が少ないということでもある。しかし高齢化は社会全体、とりわけ地方社会では深刻なものとなっている。若者の数が少ないというのは、もちろん少子化問題からきており、学校教育がその影響を最も受けている。要するに社会も、学校も、教会も、同じ問題を共有しているのである。それは自分が関わる部署さえ良ければいいということでは済まないということでもあり、方策については手を携え合う必要がある。しかし一方で、キリスト教にはその中身からくる独自の問題もある。それは、異教礼拝、偶像礼拝の禁止という、キリスト教が内包する原理主義的側面であり、それが日本人と激しく衝突してきて断層帯を作っている(これは地方に残り、家の後継者となる若者の問題ともなっている)。これをどう修復するかが、今後のキリスト教のあり方の鍵であるといえる。さらに、社会と若者の関係についていえば、1960年代に若者は社会と激しく衝突しており、ここにも断層帯という後遺症を残している。若者は、社会にも、学校にも、教会にも、期待と希望を失っている。今、若者に対し社会は、ある意味でかつての封建社会のような厳しさで立ちはだかっているが、この断層帯をどう修復していくかが、本論にとっても重要な問題と思われる。