親子関係に関する心理学的研究(I) : 評価における認知的ズレについて
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概要
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本研究は,小学生,中学生,高校及とその両親を対象とし,田研式親子関係診断テストにより,親の態度に対する子どもの評価と親自身の自己評価のズレ表わし,それによって親子関係の在り方について考えて行った。ズレは,小学生,高校生,中学生の順に大きく,なかでも中学生,高校生においては父親,母親評価とも男女差が顕著に現われていた。親子関係診断テストの判定型について,全般的に母親に溺愛型が多いのが特徴であった。またそれらのズレ発生及び判定型の要因として,子どもの場合は各発達段階における特徴をある程度示していた。小学生は親の気持と無関係に,直接的な行動において評価をするが,中学生,高校生になると親の行動に対する客観的な見方ができるようになり,批判的に評価しているようである。一方,両親は自己の態度を現実場面ではなく,自制的な意味で評価したり,意見レベルにおいて評価をしたりする。以上のように,親子関係診断テストにおける親と子の評価のズレは,親と子の様々な内面的問題に起因していると思われる。(本論は昭和59年度、駒澤大学北海道教養部・岩見沢駒澤短期大学学術研究助成による成果の一部である)
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