ラット胎児においてレチノイン酸により誘導される奇形の特徴
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概要
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器官形成期(妊娠8-11日)のラット胎児に母獣経由でレチノイン酸(RA)を曝露したところ種々の奇形が、RAの投与量と投与時期に応じて誘発されることを見出した。本実験は前回の結果を基にして、投与時期を一定にして2投与量(60mg/kgと40mg/kg)の曝露によるRAの奇形発現を検討した。DAラットの妊娠10日に母獣体重当り60、40および0mg/kgのRAを単回投与して、末期胎児の死亡率と奇形発現について分析した。60mg/kg投与群では、死亡胎児数や平均胎児体重および奇形の型や発生率で前回の実験とよく似た結果が得られ、40mg/kg投与群との比較では、奇形の発生率などで良好な用量効果関係が認められた。外表および骨格標本の調査により顔面頭蓋部と腰仙尾部の奇形が多発した。本研究で、ラット末期胎児に誘発される奇形の原因は、RAが胎生初期において神経管形成および神経堤細胞の正常な分化を妨げることによると推測される。
著者
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